もみじブログ

お葬式あれこれ

葬儀の「安さ」に隠れているもの

葬祭部の広田です。

今回は、葬儀業界の料金表示についてお話しします。

葬儀社の広告を見て、「こんなに安くお葬式ができるんだ」と思ったことはありませんか?

もちろん、費用を抑えた葬儀そのものが悪いわけではありません。限られた予算の中で、大切な人を送りたいと考えるのは当然のことです。

ただ、広告に表示された金額と、実際に支払う金額が大きく違っていたら、どうでしょうか。

実は過去に、葬儀費用の表示をめぐって、消費者庁から行政処分を受けた企業があります。

例えば、「小さなお葬式」を運営する株式会社ユニクエストは、2021年、葬儀サービスの料金表示について、景品表示法に基づく課徴金納付命令を受けています。

また、「イオンのお葬式」を運営するイオンライフ株式会社も、2017年に料金表示について措置命令を受けました。

問題となったのは、広告で示された料金以外に追加費用が発生する場合があるにもかかわらず、追加料金が必要ないかのように受け取られる表示をしていたことです。

つまり、広告を見たお客様が「この金額で葬儀ができる」と思っても、実際には条件によって追加費用が発生する仕組みだったのです。

さらに、2026年9月18日には、「小さな森の家」を展開する株式会社金宝堂も、葬儀サービスの料金表示について、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けています。

報道や公表資料によると、広告では「家族葬約10万円」といった表示がされていましたが、その金額は実際には直葬に関するもので、ホールを利用する葬儀とは料金が異なる内容でした。

 

いずれも、料金表示を見たお客様が実際の費用を正しく理解できるか、という点が問われた事例です。

もちろん、広告に表示された基本料金だけですべての葬儀ができるとは限りません。

火葬までの日数や安置の状況、式場の利用、料理や返礼品の有無など、ご家族の希望や状況によって必要な費用は変わります。

だからこそ、大切なのは、最初に表示する金額だけでなく、どのような場合に、いくら追加費用がかかるのかを、事前にわかりやすく説明することだと思います。

実際に葬儀を経験された方から、「思っていたよりも費用がかかった」というお話を聞くこともあります。

ただし、それだけで特定の会社の現在の対応を判断することはできません。葬儀費用は、選んだプランや内容によっても変わるからです。

それでも、お客様が費用について十分に理解できないまま葬儀を依頼し、後から不信感を抱くようなことは、できる限り避けなければなりません。

葬儀は、大切な方を亡くされた直後に決めなければならないことが多くあります。気持ちに余裕がない中で、費用の細かな条件まですべて把握するのは簡単ではありません。

だからこそ、葬儀社には、お客様が困らないように、迷わないように、わかりやすく説明する責任があると私は考えています。

安さをアピールすること自体が悪いのではありません。

本当に大切なのは、安く見せることではなく、お客様が納得して選べることです。

広告では安く見えても、実際にいくら必要なのかわからない。そんな状態では、お客様の安心にはつながりません。

葬儀社の都合や利益を優先するのではなく、お客様が何を知りたいのか、何に不安を感じるのかを考えて情報を伝える。

私たちも、地域の皆様に安心して葬儀を任せていただけるよう、費用の説明を大切にし、わかりやすく、誠実な対応を心がけていきたいと思います。

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