「終活=人生の終わりを考えること」ではありません
葬祭部の山下です。
「終活」と聞くと、葬儀やお墓、相続・遺言など、「人生の終わり」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
私もどちらかというと、そういった人生の閉じ方を考えるものだと思っていました。
生きているうちに直接的にそのことを考えると、どうしても後ろ向きな気持ちが先行してしまい、ポジティブに準備できることなのかという不安がつきまとうかもしれません。
しかし、先日ある本を読んでそのイメージが少し明るいものに変わりました。
その本は、桂望実さんの『終活の準備はお済みですか?』という本です。

この物語は、終活相談員の主人公と、さまざまな事情を抱えたお客様との交流を描いた短編小説集です。
それぞれの登場人物が、自分のこれまでの人生を振り返り、理想と現実との狭間で葛藤しながらも「これからどう生きていくのか」を選択していきます。
そして、相談に乗っていた主人公自身もまた、自分らしい生き方を見つけていきます。
この本を読んで私が学んだことは、
「終活とは、人生の見直しである」
ということでした。
誰だって、思い描いていた通りの人生を歩んでいるわけではありません。
予想していなかった出来事が起こったり、時には大きな挫折を経験したり。そうした紆余曲折を経て、今のご自分の立ち位置があるのだと思います。
だからこそ、終活を考えるということは、まず
「これまでの自分の人生は、どんな人生だったのだろう」と振り返ってみることなのではないでしょうか。
この本の中で大切なアイテムとして登場するのが「エンディングノート」です。
もちろん、そこには葬儀についての希望や、お墓のこと、財産のことを書く欄もあります。しかし、まず取り掛かるのは「自分史」を書くところからです。
これまでの思い出、人生の転機になった出来事、
嬉しかったこと、辛かったこと、忘れたくなるような出来事まで。
自分の人生を一つひとつ紐解いていきます。
すると、さまざまな気づきが出てくるはずです。
「辛い出来事も今思えば、あの経験があったからこそ今の自分がいるのかもしれない。」
「振り返ってみると、自分は案外たくさんの人に支えてきてもらっていたんだな。」
「何気ない家族の日常が幸せだったんだな」
これまで「自分の人生なんて…」と思っていたものが、少し違って見えてきて、歩んできた道が、なんだか愛おしく思えてくるのではないでしょうか。
そして、「これまで」を振り返った先に
「じゃあ、これからはどう生きていこうか」
という問いが生まれてくるというのです。この問いは決して悲しい後ろ向きなものではありません。人生を見直した上で自分サイズの幸せを求めるための前向きな機会になるはずです。
終活とは、人生の閉じ方を急いで決めることではありません。
これまでを振り返り、これからの人生をより自分らしく生きようと考えていくが何よりも大切なことです。
その先にようやく「こういう最期を迎えたい」「こういう形で家族に見送ってほしい」という具体的な答えが見えてくるのだと思います。
「終活」という言葉に少し寂しい印象を持っていた方も、まずは難しく考えず、自分のこれまでの人生をゆっくり振り返るところから始めてみてはいかがでしょうか。
そこには思っていた以上にたくさんの思い出があり、たくさんの人との出会いがあり、そして、今の自分につながる大切な時間があるはずです。
もみじ市民ホールでは「エンディングノート」を無料でお渡ししております。少しでもご興味がありましたら、いつでもお問い合わせください。

