旅立ちのお姿
葬祭部 伊藤です。
先日、納棺をさせていただいたお父様は、スーツ姿で旅立たれました。奥様が、ご主人様はスーツがお好きでよくお召しになられていたこと、その姿がとてもかっこよかったことなどお話してくださいました。
旅立ちのとき、その方をどのようなお姿で送り出されるかは、ご家族にとってとても大切な意味を持ちます。
かつては、仏様の世界へ向かう装いとして「仏衣(ぶつい)」が一般的でした。白い装束に身を包み、極楽浄土への旅支度を整える。そこには、仏教の教えに基づいた深い祈りが込められていました。
一方で最近は、「その人らしさ」を大切にし、生前よく着ておられたスーツやお洋服でお見送りされる方も増えてきました。ご家族様にとっても、「いつものお姿」に近いかたちでお別れができることは、安心やぬくもりにつながるのではないでしょうか。
また、お孫様など小さなお子様も、装いがいつもの姿になることで、「いつものおじいちゃん」「眠っているおばあちゃん」と感じられ、自然と距離が近づく場面もあります。
仏衣か、スーツや洋服かは、どちらが正しいということはありません。大切なのは、「どのように送り出してあげたいか」というご家族の想いです。私は、その想いに寄り添いながら、お見送りのお手伝いができればと、いつも願っております。
また、枕元を整えるお色についても、こちらで決めるのではなく、お召し物の色合いやご家族のお気持ちに耳を傾けながら、ご一緒に整えてまいります。
その方らしいお姿での旅立ちが、残されたご家族様の心に、やさしくあたたかな記憶として残り続けますように。
