仕事が残した足跡
葬祭部の義積です。もう7月になりました。今年もはや半年が過ぎて折り返しとなりました。本当に月日が流れるのは早いですね。
先日葬儀をされた方のお話です。
木は製材され、加工され、一つひとつの工程を経て、家や神社、さまざまな建物の一部となります。普段は意識することはありませんが、その一本一本には職人の仕事が込められています。故人様は、長年、家業の製材業に携わってこられました。晩年は体が不自由になり、以前のように仕事をすることはできなくなっていたそうです。
ご遺族から一枚の写真についてお話を伺いました。
神社の建物の前に座り、こちらを見つめる故人様の写真です。最初は散歩の途中で撮られた一枚だと思っていました。しかし、そうではありませんでした。その建物には、故人様が加工に携わった木材が使われていたのです。まだ体が動ける頃、「一度見せてあげたい」と息子様が遠方まで連れて行かれたそうです。その時に撮影された、大切な一枚でした。
その写真はスマートフォンの中に残っていましたが、もう取り出せないとあきらめておられました。ちょうど遺影写真を作成するために写真データを取り出す際、「この写真も一緒に印刷してほしい」とご依頼をいただきました。
もちろん喜んで印刷しました。
私は、この写真は故人様にとって特別な意味を持つ一枚だと感じました。そこで、お花入れの際にお棺へ納められるよう準備し、ご家族にお渡ししました。
私は趣味で写真を撮っています。自分が見た景色や感動した瞬間を残しておきたいと思うからです。それもまた、自分が生きた証になると感じています。
世の中には数え切れないほどの仕事があります。建物を造る人、橋を架ける人、食べ物を作る人、新しいものを生み出す人。形に残るものもあれば、目には見えないものもあります。故人様が加工された木材は、今も建物の一部として残り、多くの人に知られることなく支え続けています。それはまさに、故人様が生きてこられた証なのだと思いました。
一枚の写真には、その人の人生が写っていることがあります。今回、その大切な一枚を故人様とともにお送りできたことを、私もうれしく思いました。

