三途の川を車で渡るんだ
葬祭部の広田です。
先日、91歳女性の葬儀をお手伝いさせていただきました。
ご家族との打ち合わせ中、故人様の事をお伺いさせていただくと
「お母さん、70年前に免許取って、今では女性が運転免許を取って運転しているのは当たり前の光景ですけど、当時は女性が運転してる!って人が見に来るほど珍しかったんですよ。近所の人や兄弟を乗せてドライブに行くのがなによりの楽しみだったんです。
でも70歳過ぎてから危ない運転が続いて、家族が説得して免許を手放したんです」
と、奥様が教えてくださいました。
女性が運転することがそんなに珍しかったなんて知らなかったので、ジェネレーションギャップを受けました。
車の話になると家族の皆さんが楽しそうに話しておられた姿を見て、故人様とご家族の為に私が出来ることはないかと考えました。
運転したくても、出来なくなってしまった。そんな悔しい思いをされた故人様の為に、生前乗られていた車をパネルで作って、車のキーも作って、最後に遺影写真のデータを使って故人様の免許証を再現しました。
「私から故人様へのプレゼントです」と言って、お渡ししたところ喪主の奥様が涙を流しながら喜んでくださいました。
さらに、娘様方にも喜んでいただきお孫様も含めパネルの裏面や免許証の備考のところにメッセージをぎっしり書いていただきました。
お別れの最後に皆様の手で納棺していただき、皆さんの顔に笑顔も見られました。
「お母さん、三途の川を車で渡るんや」と楽しそうに親族、家族の方と話していらっしゃった姿を見て、悔いのないお別れをお手伝いできたことに私も嬉しい気持ちになりました。
また、数年後の法事の時にも思い出していただければいいなと願っております。

