お香典の話
葬祭部の広田です。
最近、様々なものが、様々な理由で値上げされています。
私の感覚では、世の中が「値上げ、値上げ」と言い出す前に比べて、1.5倍ぐらい高くなっているものもあるように感じます。
身近なところで言うと、お弁当などが分かりやすいですよね。
コンビニのお弁当って、昔は500円ぐらいで買えませんでしたか?
今では700円、800円するものも珍しくありません。
材料費や運搬費など、商品を作るためのコストが上がっている。
だから、販売価格が上がるのも仕方がない。
消費者にとって値上げは苦しいものですが、店側も値上げをしなければ苦しくなります。
原価が上がっているのに、売価をそのままにしていたら利益が減ってしまう。
利益が減れば従業員を雇うことも難しくなり、最悪の場合、店を閉めなければならなくなる。
お商売をされている方や、会社員の方なら、このあたりはよく分かるのではないでしょうか。
「給料も1.5倍になればいいのにな」
なんてことは、私も思ってしまいますけどね。
さて、前置きが長くなりました。
今回お話ししたいのは、お香典についてです。
香典というと「お金」を思い浮かべる方がほとんどだと思います。
ですが、もともとは、線香やロウソクなど、葬儀や供養に必要なものを遺族にお渡しする意味合いがありました。
それが時代とともに変化し、現在のように「お金を香典として渡す」という形が一般的になっています。
では、ここで先ほどの「値上げ」の話に戻ります。
線香やロウソクなどの仏具も、今では様々なものが値上がりしています。
そして、香典返しに使う品物も例外ではありません。
一般的に香典返しは、いただいた香典の3割から5割程度が目安と言われています。
例えば、3,000円の香典をいただいた場合、1,000円から1,500円程度のお返しをする、という考え方です。
ところが、ここでも値上げです。
以前なら1,000円程度で用意できた品物が、今では1,500円。
1,500円程度だった品物が、2,000円を超えることもあります。
さらに最近では、送料も上がっています。
そう考えると、遺族にとって香典返しにかかる負担は、昔に比べて確実に大きくなっています。
そこで、ふと思うのです。
香典の金額も、「昔からこの金額だから」と今まで通りでいいのでしょうか?
もちろん、香典には地域ごとの風習や、故人との関係性などもあります。
一概に「いくらにすべき」と言えるものではありません。
ただ、物価がこれだけ変わっている今だからこそ、
「昔はこのくらいだったから」
だけで考えるのではなく、香典そのものの意味を一度考えてみてもいいのではないでしょうか。
香典は、遺族の悲しみに寄り添い、葬儀やその後の供養を支えるためにお渡しするものです。
金額だけを見るのではなく、
「今の時代に、この金額で遺族を支えることができるだろうか」
そんな視点を持ってみるのも、一つなのかもしれません。
もちろん、無理をする必要はありません。
大切なのは金額の大きさではなく、故人を思い、遺族を気遣う気持ちです。
ただ、物価が大きく変わっている今。
お香典についても、「昔からこうだから」で終わらせず、一度考えてみる時期が来ているのではないでしょうか。

