タイトルもなく過ぎる日々
葬祭部の杉上です。
先日、故人様のナレーションを作りながら、ふと考えました。
人生の思い出というと、結婚式や卒業式、旅行など特別な日を思い浮かべます。
けれど本当に心に残るのは、案外そういう日ばかりではないのかもしれません。
式前のナレーションでは、故人様の職歴や功績、お人柄や趣味、印象に残っていることなどを、ご家族からお聞きしてお伝えすることが多くあります。
しかし突然のお別れの場合、故人様のことを話すこと自体がお辛いこともありますし、ご家族・ご親族のみの式では、「みんなよく知っていることなので紹介無くても良いです」と言われることも有ります。
それでも皆様の胸の中には、それぞれに故人様の思い出がたくさん残っているはずです。
そんな思い出を振り返るきっかけになればと思い、先日のナレーションの中に次の言葉を入れさせていただきました。
「 ◯◯様と過ごされた いくつもの季節
映画のワンシーンのように 今
心のスクリーンに映し出されているでしょう
春の出会い別れ
夏のひまわり 花火
秋のコスモス
冬に舞う雪
タイトルもなく 過ぎる日々の中で
紡いで来られた出会いの数々
地域の皆様 心親しき皆様と
ともに過ごし ともに語らう時を
楽しまれたことでしょう 」
家族からお聞きする思い出も、特別な記念日の出来事より、何気ない日常のお話であることが少なくありません。
その一つのお話から「あんなことも有った」「こんなことも有った」と思い出が広がり、私はお会いしたことのない故人様のお人柄や人生を少しずつ知ることができます。
そして、タイトルのなく過ぎる日々。
その積み重ねこそが、その人らしい人生を作っているのだと感じます。
葬儀式が始まる前のほんの数分ですが、故人様のことをお伝えする時間、そして皆様に故人様を思い出していただく時間となるナレーション。
これからも心込めて作っていきたいと思います。

