悲しみと向き合うこと
葬祭部の山下です。
先日、ご葬儀を担当した故人様は20代で、とてもお若い方でした。
私はそういったお若い方の担当をさせて頂くことは初めてだったのでご遺族様とお会いしてから、打合せさせていただく中でどういうお別れをして頂くべきなのか、とても悩みました。
メモリアルコーナーに想い出の写真や身に着けておられたものを飾らせていただいたり、メッセージカードを親族の方に書いて頂いたり、お好きな飲み物をお供えしたり、祭壇の花を明るいお色目にしたり、納棺師と一緒にご家族に着替えやメイクをして頂いたりと、できることは色々ご提案しましたが、どうしても深い悲しみというものは消えるものではないですし、今まで当たり前にあった日常が当たり前で無くなってしまうということに、悔いがあって当然だと思います。
その中でも少しでも納得のいくお見送りをして頂くために、ご葬儀の出棺前のお別れの時間を少し長めにとらせていただき、何か特別な演出をするということではなく、ただただ故人様と向き合って声を掛けていただくお時間を作りました。
私たちは少しでも、その悲しみに寄り添い、少しでもご遺族にとって納得のいくお別れができるようにお手伝いするしかありませんが、最後までこれで本当に良いお手伝いができたのだろうかと自分自身、不安が残ることがあります。今回は特にそうでした。
そういった不安も残る中で、ご葬儀を終えられてから、ご遺族様よりお礼のメールを頂きました。その中で私が特に印象に残っている言葉があります。
「スタッフの皆様が心を込めて関わってくださったおかげで、つらいだけでなく、あたたかい時間として心に残っています。最後まで向き合えて幸せでした。」
温かい時間として感じてくださったこと、最後まで向き合えたと感じてくださったこと、微力ではありますが、お手伝いできて本当に良かったと思いました。
何か特別なことをするわけではなく、ただただ最後まで故人様と向き合い、言葉を掛ける時間がこんなにも大切なことなんだと改めて気づかされた瞬間でした。