故郷の風景とともに
葬祭部の義積です。
この季節は花を咲かせる木が少ない中、可憐な黄色の花を咲かせる蝋梅(ろうばい)を見ることができます。見た目は梅の花に似ていますが、少し透き通った花びらが特徴で、早春に咲く香りの良い花です。蝋梅にほんのりと雪が積もり、黄色と白、そして青空が一緒に見られる瞬間が、私はとても好きです。
さて、今日は「故郷」のお話です。
私は生まれも育ちも丹波市で、今も生家に住んでいます。そのため、私にとって故郷とは、今自分がいるこの場所そのものです。しかし、皆さんが同じとは限りません。子どもの頃や若い頃に住んでいた場所を離れ、仕事や結婚をきっかけに故郷を離れる方も多くいらっしゃいます。
先日担当させていただいた故人様は、鹿児島県の離島から丹波の地へ来られた方でした。遠く離れたこの地で、人生の最期の時を迎えられました。そこで私は、故郷の風景写真をお棺に入れて差し上げたいと思いました。喪主である息子様は、私の知人で、趣味が風景写真だと知っていたからです。もし息子様が撮影された故郷の写真があれば、故人様はどんなにお喜びになるだろう、そう考えました。しかし、カメラを始められたのはずっと後のことで、当時の写真データは残っていないとのことでした。
そのやり取りを聞いておられた喪主の弟様が、グーグルマップを使って島の風景を探してくださいました。以前住んでいた場所、通っていた学校、よく行ったお店などをいくつもスクリーンショットし、プリントアウトしてくださったのです。葬儀当日、お棺にはたくさんのお花とともに、思い出の品やお好きだったもの、そして皆さんの手で、故郷の風景写真が納められました。故人様は、たくさんの想い出とともに旅立たれました。きっと向こうで、先に亡くなられた奥様とご一緒に、懐かしい思い出話に花を咲かせておられることでしょう。

