葬儀と赤ちゃん
葬祭部 伊藤です。
ご葬儀には、お孫さんや曾孫さんが来られて賑やかなお式も珍しくありません。沢山の方に見送られて、故人様も喜んでおられるのではないかと感じます。
そのお孫さん、曾孫さんの中には生後数か月の赤ちゃんもおられます。先日の赤ちゃんは、お母さんが抱っこしても、おむつを替えても、ミルクを飲んでも泣き止まず、お式が始まってしまいました。お母さんはとても申し訳ない表情で別室であやしておられました。ご焼香のタイミングがきたので、「泣くのに変わりはないので、私が抱っこして式場の後ろにいますので、ゆっくりご焼香してきてください」と声をかけました。案の定、私が抱っこすると、赤ちゃんは「この人だれーいやー」と泣き叫んだのですが、お母さんはご焼香をされ、式場内におられた赤ちゃんのお兄ちゃん&お姉ちゃんのところにしばらく行かれて、それから戻って来られました。
お式が終わってご休憩の時にふと赤ちゃんを見ると、従妹さん達にあやされて、ご機嫌ちゃんになっていました。お母さんと一緒に「あの泣きは何だったの?」と笑いました。
お式はとても静かな空間なので、赤ちゃんが泣くとお母さんはとても居心地の悪いお気持ちになる方が多いのですが、故人様から想えば、その赤ちゃんが自分の為にこの場所へ来てくれた事はきっと喜ばしく、それだけでご供養だと思うのです。
冒頭にも書きましたが、小さい子どもさんがいて賑やかなお式は珍しくありません。よく来てくださいましたと、微笑ましい気持ちになるくらいです。あまり恐縮されずに、ご参列いただければと思います。

