もみじブログ

お葬式あれこれ

二日洗い

葬祭部の山下です。

 

葬儀の打合せにてお客様とお話している中で、様々な風習についても尋ねられることがあります。

 

例えば「茶碗割り」です。これは出棺時に故人様が使っていた、お茶碗を割る儀式で、茶碗を割ることによって、故人様が現世に未練を残さず、安らかに旅立つことを願うしきたりです。当家様からご依頼があれば式場から斎場へ出棺されるときに、スタッフがお茶碗をお預かりし、お手伝いさせて頂くことは可能です。ただ、本来の風習の趣旨としては、自宅での出棺時に庭先で割るものになるので、自宅から会館への出棺時やご葬儀からお家に帰られた際でも良いので、その時に割ることをお勧めいたします。

 

また、よく尋ねられるのが、「忌中布」です。これは、お身内が亡くなられた際に玄関先等に亡くなられたことが外から見て分かるように忌が空けるまでの49日間、布をつるす風習です。ただ、近年では連絡手段が発達したことや、葬儀=お金が集まるという観点から、わざわざそれを外に知らせるようなことは防犯上よくないとされ、ほとんどされるお家はなく、あまりお勧めもしておりません。

 

上記のことは私もよくお聞きしていたのですが、

最近、お客様から「二日洗い」という風習は皆さんされているんですか?と尋ねられました。正直、私は初めてお聞きした風習だったので、逆にお客様から内容を教えて頂きました。結果としてお客様はご葬儀後にご家族の手でされたということだったのですが、

これは、お亡くなりになられてから2日目に、故人様が着ておられた衣服を洗い、北向きに49日間陰干しする風習のことです。現代では、お亡くなりになられてから2日目ではなく、「ご葬儀の翌日に」されたり、49日間干すのではなく、数日間でよいという現代版の解釈も地域によって様々なようです。

この風習の目的としては、故人様の現世での穢れや苦しみを洗い流し、安らかに来世へ旅立てるようにという意味と、またご遺族が故人様と向き合い、お別れの気持ちを整理するための心のケアであるという意味もあります。

こういった風習において、絶対しないといけないという決まりはもちろん、ございません。それぞれの当家様のご判断になります。昔は自宅で亡くなられ、そのまま自宅において、近所の方やご家族・親族様が皆さんで葬儀の準備や運営をされていたことが名残となっております。しかし、現在は会館で葬儀を行うことが主流となっており、そういった風習は段々されなくなったり、簡略化されることが多くなっています。

ただ、ご先祖様やご親戚の考え方によってはそういった風習を大切にされている場合もございますので、迷われた際は一度、私どもにご相談ください。何かご助言できることがあると思います。

私もまだまだ葬儀従事者として2年目、日々勉強で今回のようにお客様から教えていただくこともありますが、その都度、私も知識を蓄えていきたいと思います。

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