もみじブログ

お葬式あれこれ

ハンカチに込めた想い

葬祭部の義積です。毎日暑いですね。

毎年この時期は会社近くの踏切にいろとりどりのタチアオイの花が咲かせます。私はその花を見るといつも亡くなった母を思い出します。
私がまだ小学生だった頃、母が近所の人とおしゃべりをしていた姿の後ろに咲いていた満開のタチアオイが瞼に焼き付いているのです。

子供の頃から大好きだった母の病気が発覚した時「私の寿命をあげるからもっと生きて欲しい」と切実に思いました。そんな願いもかなわず母は64才で行ってしまいました。

担当したある女性はご主人を亡くされ打合せの時に、こんな言葉を聞きました。
「自分の寿命を5年あげるから、どうかせめて5年は長生きして」
でしかし、叶う事はありませんでした。どれほど残念で悔しい気持ちだったのか、私には痛いほど分かります。そして「主人についていけないから、せめて自分のものを棺にいれたい」と、1枚のハンカチを入れられました。亡くなられたご主人は、最愛の奥様のハンカチを胸に抱き、49日の旅に出られました。

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