葬祭部の門脇です。
山南ではあまり葬儀の際に「一膳飯」を用意される事はすくないようですが、私が今まで働いてきたり携わったことのある地域では亡くなると枕机に「一膳飯」を用意されていました。
「一膳飯」とは亡くなられた方がこの世で最後の食事をするという意味をこめてお供えされたものをいいます。一膳飯は「枕飯」ともいわれ、亡くなられた方が生前使っていたお茶碗にご飯を丸く大盛によそい、同じように生前使用されていたお箸をご飯の中央に垂直につきたててお供えします。お茶碗に丸く盛られたごはんは魂をあらわしており、お箸は霊魂の依り代と考えられているといいます。
ご飯を炊くときはその故人様の為にご飯一合炊き、米粒一粒残らないようによそいます。これは「亡くなった方のために用意したご飯で生きているものが食べるものではない」という意味があるところから由来しています。
一膳飯は地域によってそれに加えて色々な風習があります。例えば亡くなった家の者が炊いてはいけないという風習もあり、隣の家の人にお願いして炊いてもらう地域もあります。ご飯にたてるお箸も一本だけ立てるところや二本ともたてるところ、他には箸を一本刺しもう一本は下で横向きに置きクロスしたように置くところもあります。私の予想ですが、山南の方にも一膳飯のお話をすると昔はしたと言われる方が多いので昔は当たり前のようにされていたがどこかのタイミングで省略されるようになったのだと思います。