葬祭部の義積です。
あるお客様より塩が会葬礼状に付いていなかったね。という声を耳にしました。当ホールでは一切塩をお付けしていません、またその理由についてのご説明いたしますと納得されました。
塩と言えば、私が子供の頃は葬儀から帰ると、家に入る前にが必ずは母が台所から塩をもって来て服にサッとかけてくれていました。私の地域だけかもしれませんが、お墓参りから帰ると同じように塩が用意されていました。
塩は、もともとは神式の葬儀で用いられました。神道では死を穢れ(不浄)とみなすため、この穢れを祓う目的で、塩を使って身体を清めます。また死者の穢れは恐怖の対象でもあり、生きている者に伝染すると考えられていました。そのため、死者に接した人は「穢れに染まっている」とされ清められるべき対象でした。
葬儀でも「清めの塩」として参列者にお配りすることがあります。塩を体に振りかけることで魔除けや邪気を払う効果もあり、穢れを持ち込まないよう自分や家に結界を作る意味があります。塩でお清めの力を借りる、一種のおまじないのようなものです。
しかし、仏教では死を穢れとみなさないため、仏式の葬儀・告別式に清めの塩は必要ありません。お亡なくりになった方は「清めるべき存在」ではないという考え方です。特に浄土真宗では「往生即成仏(亡くなった時点で成仏する)」という思想があるため絶対に塩を用いません。