故人様は何故手を組むのでしょうか。

葬祭部 伊藤です。

故人様が胸の上で手を組んでいる様子を見た事がある方は多いと思いますが、何故手を組んでいるかという理由をご存知の方はあまりいらっしゃらないかもしれません。私も、葬祭業に携わるまで考えた事もなかった位です。

手を組むことで相手に危害を与えない意味合いや、穏やかな印象、安らかに眠っているように見えることで遺族の悲しみも軽減され、安心感にも繋がる等の理由から、日本では、昔から亡くなられた方の手を組むという習わしがあったようです。

また、搬送する際に手がだらんと横にあると、思わぬ衝撃などでお身体を傷つけてしまうことも考えられる為、故人様のお身体を守るという意味もあります。

また、仏教でよく目にする合掌(両方の掌(てのひら)を合わせること)は、宗教上の意味合いとして右手は仏様、左手は生きている世界の俗世を表しているとされていますので、手を組んで仏様と一体となり、身を清めて故人様が極楽浄土へ旅立つという意味も込められているそうです。

ただし、本来合掌とは「掌と掌を合わせる行為」であり、指を組む行為ではありませんし、宗教の違いによっては、手の組み方は異なるようです。