葬祭部の山下です。
2月になり、また冷え込みが厳しくなってきました。雪の降る日もしばしばあるようですので、皆様外出される際や体調管理等、お気をつけください。
そんな厳しい冬にちなんだ禅の言葉で、私が好きな言葉を紹介させて頂きます。
「雪裡梅花只一枝 (せつりのばいかただいっし)」です。
なんとなく漢字からイメージしてみると、雪の中で梅の木が花を咲かせようと枝を伸ばしているといった感じでしょうか。
実は、この言葉が言わんとしているメッセージを要約しますと、
「苦難に耐えてこそ真実をつかむことができる」という意味になります。
この禅の言葉の由来は、大本山永平寺の開祖である道元禅師の師である如浄の言葉にあり、「仏が凡夫としての眼を失ったとき(悟りを得たとき)、雪の中に一枝の梅の花が香る。いまはどこも茨だらけだが、春風が吹けば梅の花が一斉に咲き乱れるだろう。」と話されたとのことです。
雪の中の梅花は仏の悟りの眼そのものであり、
「いまは蕾もなく茨だらけだが、やがていっせいに花を咲かせる(悟りを開く)だろう、その花にこそ真実があるのだ。」と如浄は仏道において、弟子達に向けた励ましのメッセージを送ったとされています。
私は、この言葉を仕事や普段の生活に置き換えて考えてみたのですが、
辛いことや困難なことがあったとしても、その苦労の分、必ず良い結果をつかむことができる。だから、そのための成長の時期だと思って乗り越えようという風に解釈してみました。
私は、前職で一度心が折れそうになった辛い時期があり、その時にこの禅の言葉に心を支えてもらった経験があります。「すぐに結果は出ないかもしれないけども、自分が今できることを続けよう。今の経験が必ず価値あるものに繋がると信じよう」とその時期を乗り越えることができました。それ以来、この言葉を自分の中で大切にしています。
まだまだ厳しい寒さは続きますが、現代に生きる私たちも、冬の厳しさに耐えてこそ、美しい花を咲かせる梅の花のように、どんなことがあっても負けずに生きていく心を持ちたいものですね。