葬祭部の杉上です。
『死者に花を手向ける』ともいわれるように、お悔やみの場で「花」は欠かせないものです。
故人様への感謝の気持ちや大切な人を亡くされたご家族へ弔意を表すために贈る供物のひとつに、供花(きょうか)が有ります。
古くから人々は亡くなった方を弔うために花を飾る習慣があり、現代でもその習慣が受け継がれています。
葬儀告別式が終わり最後のお別れをする時、祭壇に飾られた供花を切らせていただいて、棺にお花を手向けてお別れします。皆様に『お花入れ』と説明させていただいている儀式です。私は『お花入れ』は故人様と最後のお別れをするための大切な時間だと思っています。
お棺のふたを閉じるまでの短い時間ですが、故人様のそばに寄り添い、直接お顔などに触れられる最期の時間となります。お花にいろいろな想いを託しながら感謝やお別れを伝えていただければと思います。
この時間は男性の方でも涙される方も有ります。
涙を流すということは、人の死を受け入れるのに必要なステップのひとつです。恥ずかしいこととは思わずに、自分の気持ちに正直に涙を流して頂ければと思います。
『お花入れ』の時に気を付けていただきたいことが有ります。先ずは胸元から足元へ向けて順番にお花を入れていただき、お顔回りは最後にご家族様からユリなどの花で飾っていただきます。ご家族様以外のお方は胸元と足元に入れていただき、お顔の近くで声を掛けていただきたらと思います。
沢山のお花は旅の道中のお水替りとも聞いています。皆さんで沢山のお花を手向けてお別れしてください。