お墓参りの時のお花

葬祭部 伊藤です。

先日、2年ぶりに実家(岡山)に、母のお墓参りに行きました。途中、お店でお供え用の菊を買いました。その時に、ふと、「お墓参りのお花に決まりはあるのかな?」と疑問に思ったので調べてみました。

「この花でなければならない」という決まりごとはないようです。一般的には「菊の花」が好まれます。日本では「菊の花」は邪気を払う意味で伝統的に仏花、献花とされてきました。また海外でも白菊が供えられています。日持ちも良く、枯れても散らかりにくいのもその理由の一つのようです。

「菊の花」以外には、カーネーション・アイリス・キンセンカ・スターチス・りんどう・グラジオラス・ケイトウ・ユリなどがあります。お参りする時期によって、市場に出る仏花は変わってきますので、その季節に合ったものをお供えしたらいいようです。

最近では造花やドライフラワーを仏花としてお供えする事も増えてきています。生花でなければいけない理由はありませんので、ご供養する気持ちがあれば良いのではないかと思います。実際暑い地域では1日で枯れてしまいますので、造花をお供えする地域もあるそうです。

お墓参りの後に、実家のお仏壇を掃除しようと思ったら、父が造花と果物缶詰をお供えしていました。私が造花と缶詰を見ていると、父が「それええやろ。枯れないし、腐らんし」と自慢げに言いました。私が「頭いいやん!」と答えると、嬉しそうでした。父は、足が悪いので車の運転ができません。買い物も大変なので、考えたのだと思います。

なによりも故人を偲ぶ”気持ち”が大事なんだと思います。地域や宗教・宗派によって伝わるしきたりや慣習にそって花を選ぶことも、故人の好きな花や色の花を選ぶことも、故人を思う気持ちは同じだと思います
生花でも、造花でも、果物が缶詰でも、故人のために選び、故人を偲びながら手向ける気持ちが一番大事なんだと思います。