父の姿

葬祭部の義積です。

家族が亡くなると、今まで気に留めていなかったことに気づくことがあります。私の父は大変物静かな人で、私からするとつまらない面白みのない人だと子供の頃から思っていました。父が亡くなり近所の人から父の事を聞くと「あんな良い人めったにいない」と言われました。大工だった父はお隣の高齢女性の家の扉などが具合が悪くなるとお願いされて、修理に行ってあげていたそうです。私の知らない一面を他の人は気づいていたのです。

 

先日、お父様をされ亡くされた娘様に故人様のお話を聞きました。。お父様は毎朝のルーティンで、家中の窓を開け、電気を付け、後から起きてくるご家族のために暖房を付けるのが日課でした。季節関係なく窓を開けることに「寒いのに何窓を開けてるねん」と思っておられましたが、いざお亡くなりになると家の中に電気が付いていない、暖房が付いていない状態で「父が居ないとこうなんだ」と気づかされたそうです。

人が亡くなると姿を見ることはできません。それでも生前のお姿が様々な形で面影を残していてくれているのだと改めて思います。