人は亡くなると、死後硬直が始まります。
死後硬直とは、死(心臓停止・体温の低下)に伴い遺体の筋肉が硬化していく現象を言います。
一般的には、顎関節や股関節・膝関節から始まることが多く、その後時間の経過とともに、手足の指にも硬直が出て次第に強くなっていきます。死後12~20時間前後で全身の関節の硬直が最も強くなりますが、その後は徐々に解けていきます。
硬直の度合いは、健康状態によって変わってきます。長期療養の方、特に寝たきりの方は筋肉の動きが少ないので、硬直が弱い方が多くいらっしゃいます。
納棺で寝間着から旅立ちの衣装へ着せ返する時に、硬直したままの腕では着にくいため、腕をひじのところで曲げたり伸ばしたりします、次に肩まで腕を上げます。この時、ご家族の方は腕が動くことに驚かれますので、徐々に解けるんですよ、と説明させていただきます。
病院で亡くなられたら、その時に旅立ちの衣装へ着替えられなくても、納棺の時に着せ替えは十分できます。突然のことで何も準備が出来てなくても安心してくださいね。
杉上