葬祭部の瀬川です。
「末期(まつご)の水」をご存知でしょうか?
「渇きに苦しまないように」という意味を込めて、亡くなった方の唇を潤す事を言います。
今でこそ、”亡くなった後”に行いますが、もともとは”亡くなる直前”にお釈迦さまが「口が渇いたのでお水を持ってきてほしい」と言ったのが始まりだと言われています。(※諸説有)
納棺の際には、お水と限定せずに故人様のお好きだった飲み物で末期の水をとっていただいています。
先日、お手伝いさせていただいた納棺の時のお話です。
末後の水の際に「お父さんビールが好きやった!」とビールを持ってこられました。喪主様より順番に末後の水をとっていただきます。
全員の末後の水が終わると、ふたたび喪主様が故人様のそばにやってこられました。喪主様の右手には缶ビールが握られています。
缶ビールをそっと故人様の頬にあて、「乾杯」と一言。
療養中の時には、お酒を我慢しなくてはいけない事も多く、末期の水では「最後にお酒を飲ませてあげれて良かった」とおっしゃられます。
末期の水は、ぜひお好きな飲み物でしてあげてくださいね。