葬祭部の杉上です。
葬儀後、忌明けまでの四十九日間はお線香やロウソクを絶やさないようにと説明させていただきます。お線香は仏さまのお食事の代わりになるとされていて、ロウソクの灯は道を照らすという意味があると言われています。
もう少し詳しくお話させていただくと‥‥‥
仏教でお香は、その場所を清め、自分自身を清めるために使います。また、お香は広くすみずみまで香りが届くことから、差別なく施しを与える仏さまの慈悲を意味しています。葬儀の際は、このような仏教的な意味に加え、お香には死臭を消したりする作用があることから、古代から欠かせないものであったと考えられます。そして亡くなると、現世から来世への死出の旅がはじまり、その間のお食事がお香であると言われています。
ロウソクも仏教では大変意味深いものとされています。「光明とは智慧のかたちなり」とあるように、智慧とは仏様のことを表し、光は心の闇を明るく照らす象徴です。「亡くなった後はロウソクをたやさずに」というのは、「無事にあの世へ行くことができるための道しるべとなるように」という願いが込められています。
現実には、安全の面を考えると四十九日間絶やさないというのは無理な話ですが、上記の意味合いを知っていただきたいです。