葬祭部の広田です。
今回のお話はお寺さんの袈裟についてです。
袈裟とはお寺さんが着ている黒と黄土色の衣服の事です。
語源はサンスクリット語で「混濁色」を意味する「カシャーヤ」を音訳されたものです。
お釈迦さまの時代、僧侶は使い道のない捨てられた布を縫い合わせて、身にまとっていたようです。
糞掃衣(ふんぞうえ)すなわち「糞をぬぐう布でつくられた衣」ともいわれ、衣服に対する執着や、ねたみの心をなくすためにそのような粗末な布を使ったとされています。
当時の僧侶は修行に専念するため最低限の物品しか持つことが許されておらず、三衣一鉢(さんねいっぱつ/三種の衣と托鉢や食事用の鉢)を最低限の所有物として日々の生活を送っていました。
仏教が北方に伝わるとともに、寒さを防ぐため下衣を着用するようになり、その様式が変化していきました。
また、儀式用に刺繍などの装飾をほどこされたきらびやかな袈裟も生まれました。
様式の変化はあるものの、方形の布を縫い合わせてつくるという袈裟の起源は、お釈迦さまから2500年を経た現在も大切に受けつがれています。