葬祭部の山下です。
『ぼくが葬儀屋さんになった理由(わけ)』 という本を読み感銘を受けました。本の概要は、著者である冨安さんが18歳の時、葬儀社のアルバイトでの経験で感動したことをきっかけに、本気でその道を志し、葬儀の仕事において様々な経験を通して得た自らの理念を基に、独立されて葬儀社を立ち上げるまでの物語です。
私も、まだ葬儀の仕事を始めて2年目ながら同じ仕事をしている身として大変親近感を持って、また感動と共感を持ちながら読むことができました。冨安さんは、葬儀の仕事を始めたころに自分の仕事のことを人に言うと、たくさんの偏見の目や声に遭われました。人はどこかで「死」を考えたくない、また不吉であるという潜在的な意識があります。今でこそ会館葬が一般的になって、葬儀社の仕事もそこまで偏見視されることは少なくなったのかもしれませんが当時はそういった世間の目がたくさんありました。しかし、そのような中でも冨安さんは堂々と胸を張り、「人は死があるからこそ、命が尊くいきいきと輝き、それぞれの物語がある。その最期をお手伝いできる、こんなにも人から感謝されるやりがいのある仕事はない。」と自分の仕事について一度たりとも恥じたり否定したりされることはありませんでした。
印象に残った言葉として「仕事には慣れよ、悲しみには慣れるな!」が自分の心に刺さりました。やはり仕事をしている以上は、よりスムーズに事を進められるように覚え、そして体が勝手に動く程に慣れていくことが必要不可欠です。しかし、私たちがいつも向き合うものは「人の死」「悲しみ」であり、その悲しみに慣れて、こなすだけの仕事をしてしまっては葬儀社として失格だと思います。ご遺族の悲しみに寄り添い、お一人お一人のストーリーに想いを馳せ、お見送りの気持ちがなければ良い葬儀は成り立たないと私自身も感じています。これは、もみじ市民ホールでも大切にしていることです。お客様から感謝の言葉を頂くと、私も嬉しいですし、このお仕事をやっていて良かったと最も感じる瞬間です。これからも、そういった心を込めたお手伝いができるように勉強していきたいと思います。