葬祭部 伊藤です。
先日の納棺の時、故人様の3才位のひ孫様に「おばあちゃんは、あの箱に入ったら死ぬの?」と聞かれました。私は咄嗟に何も答える事ができませんでした。
日本の法律には「死亡」の明確な定義はありません。医療の現場では、自発呼吸の停止・心拍の停止・瞳孔の散大をもって死の宣告をしています。例えば、心臓手術で人工心肺を使用している時心臓は止まっていますが、これを死んでいるとは誰も思いません。
心臓が止まった時、冷たくなった時、火葬されて骨になった時、お墓に埋葬した時、その人の死を実感するのはそれぞれ違うのかもしれません。また逆に、亡くなった方の写真や位牌に話しかけるとき、その人がまだ生きているような感覚を持つこともあると思います。
私の母は、18年前に亡くなりました。まだ実感も受け入れも出来てはいません。ただ「会えない」だけなのです。どんなに考えても、私の内側に母はいるのです。
納棺中に、ひ孫様に「おばあちゃんはずっと見守ってくれてるよ」と声をかけました。沢山の折り紙やお花を棺に納めて「おばあちゃんばいばい、またね」と仰っていました。この言葉が届き、きっと安らかな旅立ちとなった事でしょう。
納棺は、故人様とご家族様の貴重なお時間を共有させていただき、本当に感謝しております。ご希望やご要望があれば、遠慮なく仰ってください。出来る限り対応させていただきます。