お葬式の時の白木膳

葬祭部の門脇です。

普段、仏壇に塗りの御膳でご飯などをお供えされているかと思います。今はホールで葬儀をする事が増え、葬儀社が用意をするので用意した記憶がない方も多いかと思いますが、葬儀時も普段とは少し違ったお供えを行います。

まず、お膳が塗りではなく白木になります。新仏さん用という意味があり、位牌もそうですが基本亡くなった際の仏具などは白色か白木になります。飾り方については地域により色々ありますが、一般的に多いのは白木の御膳に故人様の御茶碗を使いご飯を山盛りにしてお供えし、小皿に塩と味噌と団子を盛ってお供えします。団子は枕団子ともいうのですが、お供えする団子は地域などによって色々です(4つ、6つなど)

お箸もつけるのですが、お膳に沿ってお供えする場合もあればご飯にさしてお供えするなど色々いわれはあります。ご飯に関しては「この世で故人様に差し上げる最後のご飯」というのが一般的な考えです。元々、そういった事を一膳飯と言われ、嫁入りや引っ越しなど「旅立ってもうここには戻らない」という場面で出されていました。塩と味噌はおかずと思って頂いて結構です。地域によっては塩、味噌ではなく本当の精進料理のおかずをお供えされる所もあります。枕団子にも諸説ありますが「冥土の旅路の途中で食べるお弁当」や「お釈迦様が亡くなられた時にお団子がお供えされたから」など、仏教を由来とする説が多いようです。

「故人に食事を供える」というのは宗教儀礼でもありますが、それ以上に弔いの儀式の一つとしてかなり根源的なものがあるようです。そのために全国で名前や中身が異なるにしても共通して今まで続く風習であると思います。ご葬儀の風習全般に言える事ではありますが「自分のところと違う」「以前に葬儀に参列した時と違う」ということは葬儀の場では頻繁に起こります。多少ディテールが異なっていても、故人をしっかりと送りたいという想いの元それぞれの場所で育まれたものですので、大切に継承していきたいと思います。