葬祭部 伊藤です。
先日、お客様に数珠の珠の数を聞かれ、分からなかったので調べてみました。
多くの宗派の正式な数珠は、108個の珠で組まれています。除夜の鐘の回数でも知られているように、108の珠は人の煩悩の数を表し、最も功徳がある数とされます。
煩悩とは自分自身を苦しめる心のことです。欲が満たされたら苦しまなくて済むのかという問いに対して、仏教では、そんなことはないと考えられています。この考え方を有無同然(うむどうぜん)と言います。欲しいものが手に入っても人間は幸せになれないという考え方です。お金や美しさ、権力を手に入れても幸せになれるわけではありません。つまり自分の外の環境を変えても幸せにはなれないのです。そのことから、仏教では幸せになれない原因は自分の外にあるのではなく、自分の内側にあると教えられます。自分の内側にあり自分自身を苦しめる心を、仏教では煩悩と呼びます。
沢山何かがあっても、自分の内側に幸せと感じる心がなければ幸せを感じとれず、何もなくても、幸せを感じる心があれば、それはとても幸せな事なのです。