葬祭部の門脇です。
私が葬儀の仕事についた当初は葬儀において「寸志」の風習がありました。誰に渡すかというと葬儀社・病院から自宅に搬送時の運転手・霊柩車の運転手・火葬場の職員に渡していました。「渡さないとちゃんとしてもらえない」というところからきているそうです。未だに渡そうとされたり、用意しないといけないのか?と聞かれることはありますが、葬儀が会館に移っていくと同時に葬儀社や火葬場スタッフは基本的に受け取らないようになり、寸志の風習は無くなっています。
私の体験談ですが、前に勤めていた葬儀社では寸志は受け取ると解雇(くび)と言われていました。なので寸志を出された際はその説明をしてお断りをしていました。そうすれば大体は下げて頂けるのですが、やはりお客様の顔もあります。どうしても受け取らないとお客様の顔に泥を塗ってしまう形になる といった場合は一旦預かり、葬儀代から割引という形で対応したり、月命日にお供えとして品物に替えて持っていったりしました。
私の経験上での寸志の相場ですが、担当スタッフの場合5000~10000円。搬送の運転手1000~3000円といった感じです。遠方への搬送の場合は5000~10000円が多くなります。ちなみに葬儀社勤務歴16年間で見た寸志の最高金額は100000円です。さすがにどう返すか困りました(汗)
私は寸志についてはお客様の感謝の気持ちとして出されるのは悪い事ではないと思います。葬儀スタッフ視点からしてもそれだけいい葬儀ができたと大変うれしいものではあります。ただ、風習的な点で用意するものではないかと思います。現在はそういった風習はないと思って頂けるのが一番です。