めったに履かない靴

葬祭部の義積です。私はいつも7㎝ヒールの黒いハイヒールを履いています。ヒールがある方が歩きやすいし、私のふくよかな足も若干綺麗に見せてくれます。いわゆる私の仕事着の戦闘服のような存在です。

葬祭のお仕事をしているので黒い靴は必需品ですが、当家の方や参列される方にとっては普段馴染みがない方には長い間靴箱の中で眠っていても仕方ありません。いざとなると靴箱から靴を引っ張り出してきて履かれます。

たまにホールに黒い欠片が落ちていることがあります。それも点々と!そうです、靴の底が崩壊しているのです。崩壊なんて大げさな!と思いがちですが、ひどく劣化した靴は本当に崩壊します(笑)。ある時にはもう履けなくなって、黒いテープで応急処置をしたのですが、それ以上に崩れてだめでした。急遽ホールにあった黒色のスリッパでお通夜に出ていただきました。

この劣化症状を専門用語では加水分解と言われ、一般的には水による化学結合の分解します。これは靴底の素材のポリウレタン樹脂が、空気中の水分などによって分解され素材が劣化することです。加水分解は保管状態にもよりますが通常素材が作られてから3~5年程度で発生すると言われています。

皆さんも、普段履かない靴であってもいざという時のために確認されることをお勧めします。