葬祭部の杉上です。
故人が亡くなってから、自宅などで安置をする時に、枕飾りを用意します。枕飾りには様々な仏具を置きますが、一緒にお供えする花を”一本花”と呼びます。
一本花で選ばれる花は樒(しきみ)が多いことから。一本樒という呼び方もします。
末期の水をご用意していただいたものにも、故人の口を水で潤すために樒の葉を1枚使用します。
樒の特徴は特有の強い香りです。強い香りと毒を持つ樒は「邪気を払う」「故人を悪霊から守る」と考えられてきましたので、お清めや魔除けに用いられてきました。土葬の時代には、強い香りを獣が嫌うために、お墓の近くに樒を植えて埋葬後の遺体を掘り返されることから守ったそうです。その名残で、火葬をする現代でも仏事に使われます。
山南町の方のお宅には家の近くや、田んぼや畑の畦に植えてあるのをよく見かけます。一本樒をお願いすると、すぐに準備することが出来ます。昔から、樒を大事にされてきたのでしょうね。