香典とは「香を供える」という意味から由来していますが、貴重な品を提供するという意味に解釈することもできます。昔は葬儀となると近隣の人々に食事の振舞いをしなければなりませんでしたが、それが多額の出費となるため遺族は大きな負担を強いられることになりました。その負担を村全体で助け合うために「食料」を提供したことが一般の民衆にとっての香典の始まりです。明治になって金銭香典が広まってきましたが、完全に食料から金銭に移行したのは戦後になります。
今はコンビニでも香典袋(不祝儀袋とも言います)が売られていますが、売り場には表書きが「御霊前」だったり「御仏前」だったり、また水引が印刷されたものだったり、豪華な水引が付いたものだったりと、いくつかの種類が置かれていてどれを買えばよいか迷われる方もいると思います。
各宗教共通で使うことができる表書きが「御霊前」ですが、浄土真宗では人が亡くなったらすぐに仏になるとの教えが有り「御仏前」とするのが正しいと言われています。相手が仏教というのは分かっているけど宗派が分からないというのであれば、どの宗派でも使うことのできる「御香典」とします。
水引に関しては、見栄えが良いからと豪華な香典袋を買ってしまい、実際に入れる金額が3千円だったとしたら、とても不釣り合いですよね。香典袋は、包む金額に合わせたものを選びます。金額が5千円以下であれば、水引が印刷されたもの。3万円くらいまでなら水引が黒白または双銀のもの。それより大きい金額であれば高級和紙で水引が双銀のものを用意します。市販されている香典袋のパッケージには包む金額の目安も書いていると思いますので、参考にしてくださいね。
杉上