「最近ひげ剃りしたばっかりやのに、亡くなってからもひげは伸びるんやねぇ」
納棺の際にこのような言葉を言われる事があります。この言葉、実は多くの方が口にされます。
しかし、厳密に言うと亡くなってからひげは伸びません。にも関わらず、大勢の人が伸びたように感じるということはどういうことでしょうか?
亡くなると、皮膚が水分を失い身体全体の皮膚が収縮します。皮膚が収縮する一方でひげや髪の毛、爪は収縮しないため、伸びたように見えるのです。
分かりやすく言うと、乾燥で中に埋まっている毛や爪が押しだされる、ということです。
余談ですが、皮膚の乾燥が始まると眼球の水分も無くなる為、目の部分が少し落ち込み、生前より少しだけ彫の深い顔に見えることがあります。
その為か「彫りが深くて男前でねぇ」と話をされる方も少なくありません(笑)