納棺ができること

ある納棺のお話です。
納棺は、故人様の身支度を整えてから、お顔剃りをします。剃った後には、ご家族様にきれいに拭いていただき、ラストメイクを施します。この故人様は顔色が少し白くなっておられましたので、健康的な肌色のファンデーションにしました。最後にドライシャンプーをして、髪を整えて終わりです。身支度を終えた故人様を見て、ご家族皆さんが
「きれいになった」
「ようなった」
「元気そうな顔になった」
と、喜んでいただけました。

そのなかで
「亡くなってから、辛くて悲しくてしかたなかったけど今の顔を見て悲しみが半減しました。ありがとうございました」と、おっしゃって下さる方がおられました。私も、お手伝いをさせていただいて、
本当に良かった、と思えた瞬間でした。お亡くなりになってから、葬儀告別式を迎えるまでの時間の中で納棺はとても大事な役割があります。
1つは故人様のために、できる限りのことをしてあげること。もう1つは故人様の顔をさわり冷たさを感じ、手を触って体の硬直を感じ、生きているのではない…と実感することです。

故人様としっかりとお別れすることで、感謝の気持ちが生まれ、ご家族も心の痛手を最小限に抑えることにつながります。1人でも多くの家族・親族で納棺を見守ってください。